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お茶の品種ハンドブック「さえみどり」

品種名の由来

外観が色沢が明るい冴えた鮮緑色のため、「さえみどり」と名付けられた。

品種開発の経緯

さえみどりは、1969年に農林省茶業試験場枕崎支場(現農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所 枕崎茶業研究拠点)で生まれた品種。その後、育成地および系適試験地における1989年までの試験結果から、温暖地では早生で生葉収量、煎茶品質が優れることが認められた。

その結果を持って、1990年 6月に茶農林 40号「さえみどり」として命名登録が行われ、1991年11月には種苗法に基づき品種登録(第2881号)が行われた。

品種の系統

優良品種の「やぶきた」を母、甘みが強く天然玉露とも言われる「あさつゆ」を父とした交配種。

お茶の特徴

きれいな緑色の水色と、さわやかなうまみが特徴。水色は、さえみどりの名の通り、冴えた鮮やかな緑色。香りは上品で、少ない渋み。その上、旨み(成分)が非常に多く含まれている。甘みが強く、渋みが少ないため、渋いお茶が苦手な人でも飲みやすい。

成分の特徴

農研機構によると、ケルセチン配糖体の含有量がやぶきたの約2.5倍。

サントリーの研究によると、ケルセチン配糖体は体脂肪低減効果がある。

栽培地域

主に、鹿児島県、宮崎県で栽培されている。近年、静岡県でも栽培が広がっている。

栽培量(シェア)

茶園面積の3%(平成26年、農林水産省調べ

他品種との比較

<「やぶきた」との比較>
・成葉の形が長卵
・成葉の葉縁の波が少ない
・ほう芽期及び摘採期が早い
・全窒素が少ない
・アミノ酸が多い

<「ゆたかみどり」との比較>
・新葉の形が長楕円
・新葉の色が緑
・滋味が良い
・裂傷型凍害が強い
・網もち病抵抗性が強い

品種の詳細情報

芽期及び摘採期:早生
適地:良品質の暖地及び温暖地地域
用途:煎茶用品種
樹姿:中
樹勢:やや強
株張り及び葉層の厚さ:中
摘採期の茶芽の揃い:やや揃
大きさ:中
芽数:やや多
摘芽長:やや長
摘芽の本葉の開葉数及び百芽重:中
新葉の形:長楕円
大きさ:中
厚さ:中
光沢:中
葉色:緑
葉質:やや軟
成葉の形:長卵
大きさ:中
厚さ:中
葉面のしわ:中
葉縁の波:中
枝条の分枝数:中
節間長:中
着葉角度:中やや鈍
ほう芽期:早
摘採期:早
挿木の発根性:良
幼木の収量性:中
成木の収量性:やや多
製品の外観の形状:上
色沢:上
内質の香気:上
滋味:上
水色:中上
全窒素:中
アミノ酸:多
赤枯抵抗性:やや強
青枯抵抗性:中
裂傷型凍害抵抗性:中
炭そ病抵抗性:やや弱
輪斑病抵抗性:弱
網もち病抵抗性:中
もち病抵抗性:中
登録品種データベースより


CRAFT TEAの「さえみどり」

鹿児島・鹿屋さえみどり